ロータリング(濾過について)

ビール醸造

ロータリングの目的は、穀粒と麦汁を分離させることです。
最初の工程は“マッシュアウト”と呼ばれ、マッシュの温度を75度まであげることです。
これはさらに何かを変性させるためでなく、温度の上昇によって糖を麦汁に溶けやすくするための作業です。温度を上げて10分間ほどそのままにしておくと、穀粒中の糖分がさらに溶け出し、麦汁の効率がはるかに向上します。
湯温は速やかに上がっていきますが、穀粒自体の温度上昇は緩やかであることに気づきます。
ムキになって穀粒の温度を上げることに集中するあまり、湯温が目標より高くなりすぎないように注意しなくてはなりません。

また、グレインバッグが鍋の底についてしまうと焦げ付いてしまう恐れがあるため、グレインバッグを浮かせる必要があります。

肝心の穀粒と麦汁の分離については、再循環という言葉が使われます。
BIAB方式の場合
1.グレインバッグをマッシング容器の上に麦汁の表面すれすれに吊るし、ロープでバッグを固定する。
2.大きな水差しで麦汁を組み上げ、上から穀粒に注ぐ。全ての麦汁が一度は再循環されるように意識する。
3.麦汁がかなり透明になってきたら再循環をやめる。絶対にグレインバッグをひっくり返したりバッグ内をかき混ぜたりしない。(穀粒などが混ざってしまい、再循環の意味がなくなってしまう。)

スパージング
まだまだ穀粒中には麦汁に浸透可能な糖が多く残っているので、これを抽出するためにスパージングを行います。(スパージングを行わない=一番搾り)
BIAB方式の場合スパージングを行わない場合もあるが、仕込み前に欲しいだけの麦汁の量を確実に確保できるという点で便利である。おおよそ計画仕込み量の110%ほどを確保できると良い。

手順
1.グレインバッグから麦汁を取り除くべく、吊るして液が出なくなるまで待つ。
2.グレインバッグを別のバケツなどに入れる。
3.事前に用意した75度のお湯(麦汁と合わせて仕込み前の110%の量になるように量を調整)をグレインバッグの上からかけ、10分ほど待つ。
4.グレインバッグを容器から出し、弱めに絞る。絞り終えたら廃棄して大丈夫。
5.湯を元の糖化鍋に注ぐ。


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