ビールは製造や保存の際のミスにより、本来は意図していなかった香りや味わいがついてしまうことがあります。
この場合の香りや味わいをオフフレーバーと言います。
今回はオフフレーバーの名前、香り、原因について抑えていきます。
老化臭(もったりと甘ったるく、日本酒のような香り)
酸化や劣化によって生成される。
様々な化合物が相乗的に関与していると考えられているが、中でもDMTS(ジメチルトリスフィルド)が原因であることが多い。
その他にも、ホップの苦み成分の分解物も原因である場合があるという。
バター、マーガリン、バタースコッチケーキ
ビールから 酵母を取り除くタイミングが早く、酵母が発酵しきれなかった場合に生成される(発酵温度が低すぎる場合も酵母が発酵しきらないので同様)。
ジアセチル(DMTS)が原因であるが、これは発酵初期には必ず発生するものであり、大量発生の原因となるのはペディオコッカスという細菌。
ジアセチルによるオフフレーバーを防ぐには、
①発酵が完全に止まるまで適温で放置すること
②健康な酵母を使用すること
が重要である。
ビールスタイルによっては、かすかに感じられる程度のジアセチルであれば歓迎される場合も稀にある。
トウモロコシ、キャベツ、セロリなどの野菜のにおい
煮沸工程での温度や時間の不足、雑菌の混入等により生成される。
ペールモルトやラガーモルトが大量に使われたビールに起こるトラブルであり、硫化ジメチルが原因。
硫化ジメチルの元になるのはs-メチルメチオニン(SMM)という物質。
カードボード臭(段ボール臭)
酸化が原因。
干し草、草のようなにおい
ドライホッピングの温度が低温、かつ長時間すぎた場合に起こる。
また、モルトの品質が悪い場合にも同様のフレーバーが起こってしまうという。
酸味
洗浄・殺菌が徹底されていない場合に起こる。
ペディオコッカス、あるいはラクトパチルスによる感染が原因。
どちらも多くの乳酸が生まれているので、意図しない味わいであれば注意が必要。
ペディオコッカスはビール全体にロープ状のヘドロを張り巡らせ(ローピィ)、ジアセチルを大量発生させる。
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